【インタビュー】Google、ルメール、ZOZO…ユニクロ柳井社長がパリで語ったこと

■Googleに期待すること

ー2017年に、ファーストリテイリングは「情報製造小売業」になっていくと発表しましたが、どの程度達成されていますか?

 これはもうエンドレスなんで、程度も何もない。課題は山積みですよ。時代のニーズに合わせた働き方に変えること。それからファッション業界というのは流行とシーズンに追われ過ぎですよ。大切なのは作り手として表現する事です。今ほとんどの企業がニーズを汲んでいないと思いますね。ITはそのための手段。いい製品をつくる、いいサービスを提供する。ITよりもそういうことの方が大事。技術のある相手と協業するだけが解決ではないですから。

ー最近だと、新たにGoogleとの提携を発表しています。

 彼らは全世界の情報を持っているので、その情報をより早く服にしていく。コミュニケーションの方法も持っているので、お互いの業態でどういう方法が良いのか研究していく。そういう提携です。

ーどういった面で期待していますか?

 コミュニケーションのツールですから、全ての情報が全ての人に伝わるようにしていきたい。お客様を中心に、商品を企画する人、生産する人、物流する人、それから売る人もチームになるような。情報という素材を取り入れて、良いバランスでどうやって作っていくか。完成された料理をいかに早く届けていくか。その美味い料理ってのは何なのかということも、最新の情報としてチームに伝わるようにしていきます。

■欧州最大のライバルは?

ーフランスでは今後、さらに店舗を増やしていくのでしょうか。

 フランスというよりもヨーロッパに関しては、やはり大都市には全部出たいと思っていますね。チェーン展開というよりも、それぞれの地域で一番喜ばれるお店はどういうものなのかを考えた上で出店していきたい。

ー規模や店舗数は。

 数というより、要望されたら出店するということが、僕は一番なんじゃないかなと思っています。

ー8月にはストックホルムにスウェーデン1号店が開店し北欧に進出ました。いまユニクロにとって欧州での最大のライバルは?

 ライバルってのは全部なんですが、尊敬すべきという意味ではやはり、インディテックスですね。「ザラ(ZARA)」を運営する素晴らしい企業で、彼らのように我々も成長したいと思っています。

ー欧州企業はサステナビリティの面で先進的です。ユニクロとしての考え方は?

 まずはやはり、お客様の要望にあった商品を作る。無駄なものは作らないということだと思いますね。この業界は思い込みがすごくあって、お客様に合わせるよりも、自分主義で服を作っているんじゃないかと。だから我々は、お客様に対して部品としての服を作るという考えなんです。

ー最後に1つ、パリにきたら必ずすることは何ですか?

 仕事以外やったことないです(笑)。日本でもパリでも、あまり変わらないですね。

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