マツコ、東京まで鉄道や飛行機で1本で行けない2県に「それって神々しい、すごい好きな方の県」

タレントのマツコ・デラックス(51)が1日放送のTOKYO MX「5時に夢中!」(月~金曜午後5時)に生出演。東京から鉄道や飛行機に乗って、1本で東京に行けない奈良、三重県についての私見を述べた。 【写真】東京まで鉄道や飛行機で1本で行けない「神々しい」県  番組では東京に1本で行けない県を可視化した地図がネットで話題になっていると取り上げた。北陸新幹線の開通で福井県は東京まで1本で行けるようになり、現在は奈良、三重県の2つの県だけだという。   マツコは「奈良と三重って(東京へ)1本で行けないところがいいところだと思うのよ。それって神々しい県じゃない、両方とも。そこに1本でたどり着けないのがいいところでもあるのよ」と私見を述べた。三重と奈良には行ったことがあるといい「すごい好きな方の県ですよ」と語った。

「全盛期はまだこれから」 大坂なおみが企業に愛される理由

大坂なおみ 女性アスリートとしての最高年収、その額まさに6000万ドル。男女を通しても12位につけたのは、女性の史上最高位である。彼女を支持するスポンサーは実に20社。社会問題にも発言を繰り返す型破りなアスリートは、なぜかくも企業を引きつけるのか。 全米オープンでセリーナ・ウィリアムズを下し、劇的な優勝を飾って世界のひのき舞台に躍り出てから3年がたつ。23歳になった大坂なおみは、自分以外の誰のルールにも従うつもりがないことを、すでに身をもって示している。 今年の5月末、大坂は自身のメンタルヘルスを守るために、全仏オープンで出席が義務付けられているメディア会見を拒否した。その代価は1万5000ドルの罰金だった。大坂は大会を棄権することにした。 この衝撃的な決断のおよそ9カ月前、彼女は、ジェイコブ・ブレイクが警官に撃たれた事件に抗議してウエスタン&サザン・オープンを棄権する意向を表明した。その後も、人種差別主義者の暴力や警官の非道な扱いの犠牲となった黒人被害者の名前を記したマスクを、全米オープンの期間中ずっと着用し続けた アスリートがこのような立場を取ると、企業スポンサーは一目散に逃げだしかねない。だが、大坂の場合はそうはならないようだ。このスター選手は、12カ月間で6000万ドル(そのうち5500万ドルは広告収入)を稼いでいる。しかも、それは昨年、自分自身が打ち立てたばかりの3700万ドルという女性アスリートの収入の最高額を粉砕したうえでのことだ。 この6000万ドルという金額によって、大坂はフォーブスの「世界で最も稼ぐアスリート50人」の12位に入った。これはゴルフのタイガー・ウッズと同位で、ノバク・ジョコビッチやラファエル・ナダルといった男子テニスのスター選手をはるかに上回る順位であり、昨年の29位からすればとんでもない躍進だ。 このたびの騒動の詳細をみておくと、大坂が全仏オープンを辞退するに至った論争が始まったのは、今年5月末のことだ。大坂がSNSで、自らの自信とメンタルヘルスを守るために、大会中の記者会見に出席しない旨を発表したことがきっかけだった。フランステニス連盟は、大坂の最初の記者会見の欠席に対して罰金を科し、大会から追放することも辞さないと脅しをかけた。これを受け、世界ランキング2位の大坂は、大会を棄権することを選び、うつ病と不安を経験してきたことを明かした。 ほとんどのプロのテニス選手の場合、けがや公の場での抗議行動によって、しばらくテレビに登場できなくなれば、実際に収入が減りかねない。スポンサーが一流選手に大金を支払うのは、彼らが主要大会で上位に勝ち残り、自社ロゴの放映時間がたっぷり取れることを見込んでいるからだ。 しかし、大坂はそんじょそこらのプロテニス選手ではない。若く、2つの文化を併せ持ち──母親は日本人で父親はハイチ系アメリカ人だ──社会正義の問題を積極的に訴えるようになる前から、クールな要素とグローバルな魅力を備えていると見なされていた。大坂はスポーツマーケティングの象徴となったのだ。 その結果、大坂の広告契約には、テニス界では大半の契約に見られるような、プレイ時間が限られる場合は契約料を下げるという条項が盛り込まれていない。それどころか、一部のファンがSNS上で大坂を激しく非難している状況にあっても、大手スポンサーの多くは、すでに彼女の擁護に立ち上がっている。 大坂を上回るのは3人だけ ナイキはすかさず声明を出し、「私たちの思いは、なおみと共にあります。当社は彼女を支持するとともに、メンタルヘルスにかかわる自分の経験を打ち明けたその勇気をたたえます」と述べた。リーバイス、日産、日清食品、タグ・ホイヤーなどのブランドも、大坂を支持する同様の声明を出している。サラダ専門店のスイートグリーンやマスターカード、ビーツ・エレクトロニクスはSNS上で大坂の肩をもった。 昨夏の時点ですでに15の広告パートナーと契約していた大坂だが、この1年でその数は20以上に膨れ上がった。グーグルやルイ・ヴィトンも、最近、そのリストに加わっている。 スポンサー契約のラインナップで大坂と並ぶ人物は、スポーツ界にはほとんどいない。この12カ月で大坂を上回る広告収入を稼いだのは、プロテニスのロジャー・フェデラー、プロバスケットボールのレブロン・ジェームズ、そしてタイガー・ウッズだけだ。 この事実が示しているのは、いかに大坂がSNS上で批判されていても、彼女の躍進はまだその“とば口”に立ったにすぎないということだ。「大坂というブランドへの打撃はまったくないでしょうね」と、ベテランのマーケティングコンサルタントで、コロンビア大学の講師でもあるジョー・ファボリートは話す。 大坂は最も売れるスターであり続ける メンタルヘルスの問題は、近年、スポーツ界でより広く関心を集めるようになっており、NBAのケビン・ラブや競泳のマイケル・フェルプスなど、多くのスター選手が個人的体験を打ち明けている。 スポーツマーケティングのコンサルティング会社を営むビル・サットンはこう考えている。大坂はパンデミックによるロックダウンを受けて新たに注目度が高まっているメンタルの問題について包み隠さずに語った。そのことによって、メンタルヘルス分野のスポンサー候補の興味を引く可能性がある。 大坂が社会問題について自分の意見を述べていることについても、同じことが言える。 「ブランドにとって社会問題への意識は、1、2年前までは6番目か7番目に重要なテーマでした。それがいまでは、1番あるいは2番目に重要になっています」と、前出のファボリートは言う。 大坂が東京オリンピックに出るか出ないかにかかわらず、彼女のコート上での活躍と、収益性の高い日本市場における地位があれば──その若さと人柄は言うまでもないが──大坂は今後もスポーツ界で最も売れるスターのひとりであり続けるだろう。 […]

【インタビュー】Google、ルメール、ZOZO…ユニクロ柳井社長がパリで語ったこと

■Googleに期待すること ー2017年に、ファーストリテイリングは「情報製造小売業」になっていくと発表しましたが、どの程度達成されていますか?  これはもうエンドレスなんで、程度も何もない。課題は山積みですよ。時代のニーズに合わせた働き方に変えること。それからファッション業界というのは流行とシーズンに追われ過ぎですよ。大切なのは作り手として表現する事です。今ほとんどの企業がニーズを汲んでいないと思いますね。ITはそのための手段。いい製品をつくる、いいサービスを提供する。ITよりもそういうことの方が大事。技術のある相手と協業するだけが解決ではないですから。 ー最近だと、新たにGoogleとの提携を発表しています。  彼らは全世界の情報を持っているので、その情報をより早く服にしていく。コミュニケーションの方法も持っているので、お互いの業態でどういう方法が良いのか研究していく。そういう提携です。 ーどういった面で期待していますか?  コミュニケーションのツールですから、全ての情報が全ての人に伝わるようにしていきたい。お客様を中心に、商品を企画する人、生産する人、物流する人、それから売る人もチームになるような。情報という素材を取り入れて、良いバランスでどうやって作っていくか。完成された料理をいかに早く届けていくか。その美味い料理ってのは何なのかということも、最新の情報としてチームに伝わるようにしていきます。 ■欧州最大のライバルは? ーフランスでは今後、さらに店舗を増やしていくのでしょうか。  フランスというよりもヨーロッパに関しては、やはり大都市には全部出たいと思っていますね。チェーン展開というよりも、それぞれの地域で一番喜ばれるお店はどういうものなのかを考えた上で出店していきたい。 ー規模や店舗数は。  数というより、要望されたら出店するということが、僕は一番なんじゃないかなと思っています。 ー8月にはストックホルムにスウェーデン1号店が開店し北欧に進出ました。いまユニクロにとって欧州での最大のライバルは?  ライバルってのは全部なんですが、尊敬すべきという意味ではやはり、インディテックスですね。「ザラ(ZARA)」を運営する素晴らしい企業で、彼らのように我々も成長したいと思っています。 ー欧州企業はサステナビリティの面で先進的です。ユニクロとしての考え方は?  まずはやはり、お客様の要望にあった商品を作る。無駄なものは作らないということだと思いますね。この業界は思い込みがすごくあって、お客様に合わせるよりも、自分主義で服を作っているんじゃないかと。だから我々は、お客様に対して部品としての服を作るという考えなんです。 ー最後に1つ、パリにきたら必ずすることは何ですか?  仕事以外やったことないです(笑)。日本でもパリでも、あまり変わらないですね。

「いまのじぶん、好きですか?」ありのままの姿で問う。『吉川晃司とUL・OS展』で吉川本人が語る

来年活動40周年を迎える吉川晃司のアートイベント『吉川晃司とUL・OS展「からだから生きるを問う」』が、東京・南青山にあるスパイラルガーデンで開催中だ。会場では、吉川のありのままの姿を撮り下ろした全9作品が展示されている。 本記事では、アートイベント開催初日の模様をレポートするとともに、同日開催されたプロジェクト発表会で語られた吉川の言葉から、展示された作品に込められた想いを紐解く。 吉川晃司とUL・OSによる、正解のない「生き方」を問うプロジェクト始動 『吉川晃司とUL・OS展「からだから生きるを問う」』は、大塚製薬の男性用スキンケアブランドUL・OS(ウル・オス)の新プロジェクト『UL・OS Questions』の始動に伴い開催されるアートイベントだ。 何者かに化ける化粧品ではなく、健やかな肌に導く「健粧品」へ。2008年に誕生したUL・OSは、これまでも一歩一歩の積み重ねを大切にしてきた。社会においても、ライフステージにおいても、変化が激しく正解のない時代を生きる私たちは、往々にして自分自身が歩むべき道を見失いがちだ。そこで立ち上がったこのプロジェクトでは、根本から健やかな自分で生きていくために、近道して安易に答えを出すことなく、自分と向き合い「問い続ける」ことの意義を伝えていく。 そして今回、UL・OSとともに問いを投げかけていく共同企画者として参画したのが、歌手であり俳優の吉川晃司だ。 ありのままを表現。吉川の生き様が問いかけるもの アートイベント開催初日、会場には性別や年代を問わず、多くの人が足を運んだ。会場では吉川の写真が大きくプリントされ、それぞれ「問い」の言葉とあわせて展示されている。 会場に入り、最初に筆者の目に留まった写真と言葉はこちらだ。 大都会の風景を眼下に、見事なバックスタイルを見せる吉川。無駄な贅肉は一切なく、引き締まった筋肉が全身を覆う。吉川が歌手として、俳優として第一線で活躍するため、食事に運動にストイックに励んでいることがうかがえる。まるでCGのように美しい写真だが、調整を加えたのは明度や色彩のみ。シワ・シミ・毛穴を隠すといった、外見をよく見せるような画像の加工は一切していないというから驚きだ。 虚飾に満ちた都会を前にした吉川のポーズは、まるで合気道のように、世間からのノイズフルな声をしなやかに受け流しているように見える。そんな「ありのまま」の姿からは、自分を飾ったり、見せびらかしたりするような姿勢は一切感じられない。これまでの成功も、失敗も、すべてを受け入れてきたような潔さがあり、彼の生き様に惹き込まれる。 今回のアートイベントでは、写真にも言葉にも、UL・OSのイズムに共鳴した吉川のアイデアがふんだんに盛り込まれているという。吉川はなぜ、このプロジェクトに参加し、このような姿を写真に収めようと考えたのか。アートイベント初日に行なわれたプロジェクト発表会で、その心の内を明かした。 吉川:最初にUL・OS側から声がかかったとき、まずはUL・OSというブランドの在り方や製品を知っていくところから始めました。スキンケアの研究所へ行き、研究者たちの地道にコツコツと積み重ねていく姿勢が、自分の価値観と重なりました。だから今回のアートイベントでどんな写真を撮るかと考えたときに、「なにも身につけない方が、むしろ自然じゃないの?」って提案したんです。撮影は、カメラマンのHIRO KIMURA君に依頼しました。彼とはつき合いも長くて、技術も高いし、生き様も尊敬できる。そんな彼の胸を借りて、ありのままの姿を撮影してもらいました。 画一的な「正解」がなくなりゆくいま、吉川が選択した生き方 多様な価値観が尊重され、画一的な「正解」がなくなりつつあるいま、吉川はどのような価値観に基づいて生き方を選択しているのだろうか? 吉川:私は「その人の生き様は顔に表れる」と思っていて。クリント・イーストウッドさんも、ミック・ジャガーさんも、シワくちゃな笑顔で笑われるじゃないですか。そこにレコードの針を落としたら、素敵な旋律が聴こえてきそうな気がするくらい。私も、ステージで自分が望むパフォーマンスができるように、普段からトレーニングを続けてきました。58歳になったいま、もちろん老いは感じます。ただ、それは弱みだととらえていなくて。年齢としっかり向き合い、これまでの知識や経験を活かして「しなやかさ」を見出していくことが大切だと思っています。 何もかもが急速に変化していく時代を生きていると、つい近道を探してしまいがちだ。しかし後悔をしない生き方をしていくためには、回り道を楽しむことも重要だと吉川は語る。 吉川:これまで歩んできた道は、決して楽でまっすぐな道ではありませんでした。挫折もあったし、遠回りもした。けれど、そこで立ち上がろうとする度にきれいな花があることに気づき、珍しい景色を見ることもできました。失敗が続くと「もうちょっとうまく生きろよ、お前」と思うこともあります。けれどその経験は、人生の糧になるんですよね。だから、たくさん失敗している人を信用したいと思うんです。 他の誰かと比べることなく、「職業・吉川晃司」として地道な努力を積み重ねてきた吉川。歳を重ね、衰えやいびつさが表れてきたとしても、そのしなやかな生き様からは、オリジナリティあふれる本質的な輝きが放たれ続けることだろう。 大塚製薬UL・OS担当の小島涼太朗氏は、今回のプロジェクトの展望について「吉川さんをはじめ、これからさまざまな自分らしく生きている人とともに、問いを投げかけていく取り組みをして発信していきたい」と語る。『UL・OS […]

三木谷氏が楽天モバイルの2024年度戦略「12月までに単月黒字化」

「去年はいったんリーンになろうということで、とにかくダイエット活動を行ってきた。しかし今年以降は、もう一度成長フェーズに入っていく。2024年は、一般利用者の増加と法人の強化により、月次EBITDAを黒字化して国内No.1キャリアへの道筋を作る年だ」 楽天グループは2024年2月14日、2023年度 通期及び第4四半期決算説明会を開催(楽天グループは12月が期末)。そのなかで楽天グループ 代表取締役会長兼社長 最高執行役員の三木谷浩史氏はこのように語った。 2024年12月までに楽天モバイルのNon-GAAP EBITDAの単月黒字化を目指すという。 この目標達成のために必要なのが、800~1000万の契約回線数と2500~3000円のARPUである。

世界61位の資産家・キーエンス滝崎武光氏 最大の個性は「目立たぬよう徹する姿勢」

米経済誌『フォーブス』世界長者番付の2022年版において、資産額239億ドル(約2兆9400億円)で61位にランクインしたのが滝崎武光氏(76)である(ファーストリテイリングの柳井正氏が54位、ソフトバンクグループの孫正義氏は74位)。  滝崎氏はセンサーのメーカーであるキーエンスの名誉会長。キーエンスは、1974年に滝崎氏が兵庫県尼崎市に設立した会社で、自動車や精密機器、半導体などの工場で生産工程を自動化するファクトリーオートメーション(FA)にかかわるセンサー類を開発・製造するメーカーである。  過去5年間の社員平均年収は1930万円。業績に連動するため年ごとに差があるが、東証プライム企業のなかでも図抜けて高く、“日本一給料が高い会社”と呼ばれている。  滝崎氏は会社経営に対してストイックな姿勢を示すだけに、本人も目立つことを嫌い、地味に徹している。元『フォーブス日本版』編集長の小野塚秀男氏はいう。 「私が『フォーブス』で取材した当時、すでに滝崎さんは成功した経営者で、取材も『億万長者に話を聞く』というテーマだったのですが、結局、私生活については一切話してもらえなかった。一代で億万長者になった人のなかには自己顕示欲の強い人もいますが、滝崎さんは決してそういうタイプではない。ZOZO創業者の前澤友作さんとは正反対の方ですね(笑)」  滝崎氏もある意味で“異端”なのかもしれない。キーエンスの元営業社員で中小企業診断士の立石茂生氏は、こう話す。 「大富豪のカリスマ経営者のように思われていますが、決して豪快な人ではなく、むしろ“石橋を叩いて渡る”タイプ。基本的には派手なことは好まず、地道で堅実なことを好む人でした。  私が入社した当時、本社は大阪・高槻市にあり、滝崎さんは車で通勤していたのですが、すでに経営者として成功を収めていたにもかかわらず、国産の一般的なセダンに乗っていた。安い車ではないが、高級車というわけでもない。出張で新幹線を使うときも、グリーン車には乗らなかった。いまもそうなのかはわかりませんが、当時はそうでした」 そんな滝崎氏に関する奇妙な記事が、日本経済新聞(3月25日付朝刊)に出た。キーエンス財団に保有している自社株、745万株、時価3900億円相当を寄付したという内容だ。経済ジャーナリストの有森隆氏はこう言う。 「3段見出しの大きな扱いでしたが、日経は前日(3月24日朝刊)にも寄付の件は報じていました。ただし前日に報じた内容が違っていたという訂正が含まれており、それが目立つように配慮した上で改めて正確な内容を報じたのでしょう。前日の記事では保有株を寄付した先を滝崎氏の不動産管理会社としたが、キーエンス財団の誤りだったということでした。  この訂正に滝崎氏のこだわりを見た気がします。  滝崎氏は2016年、この不動産管理会社の株式を長男に贈与したことをめぐって1500億円の申告漏れを指摘されたことがある。寄付先が不動産管理会社だとして変な誤解が広まると困るから、しっかり訂正したかったのではないでしょうか」  キーエンスに聞くと、「個人のことに関しましては、会社としてのコメントは差し控えさせていただきます」(経営情報室)と回答。日経新聞広報室は「同社からのご指摘で誤りが判明したため訂正しました」と答えた。  目立たぬよう徹する姿勢がこの経営者の最大の個性と言えよう。 ※週刊ポスト2022年4月29日号

“よりよい聞こえ”で楽しい人生を[マキチエ]平松知義社長×吉川美代子さんの“耳より対談” 

最近の補聴器はデザイン性にすぐれ、機能も充実──。聞こえに人一倍関心をお持ちのフリーアナウンサー・吉川美代子さんが、「聴力を保ち、いつまでも人生を謳歌したい」と、補聴器専門店・マキチエの平松知義社長に補聴器の上手な選び方・使い方を伺います。 コミュニケーションにも身の安全にも重要な聴力 コミュニケーションにも身の安全にも重要な聴力。 吉川美代子さん(以下、吉川) 私は50歳の時に突発性難聴になり、左耳の聞こえが悪くなった経験があります。当時は四六時中イライラして、よく聞こえないことによるストレスを痛感しました。 平松知義社長(以下、平松) それは大変でしたね。聴力が低下すると聞き逃しや聞き間違いが生じて会話を楽しめず、話すこと自体が苦痛になって人づきあいも疎遠になりがちです。後ろから来る車や自転車にぎりぎりまで気づけないので、転倒や事故のリスクも高まりますね。 吉川 何度も聞き返すと相手も簡単な言葉を使うので、深い話や込み入った相談事もできなくなります。とても寂しいことですし、脳の働きにも影響するのではと心配です。それに災害時の情報や避難指示はラジオやマイクから音声で届くことが多いので、身も守れない――。 平松 さらにクリアな音は食べ物の味や風景をより鮮やかに感じさせてくれます。聴覚は人間関係や身の安全を保ち、脳を活性化させて生活の質を高める極めて重要な機能――なのですが、難聴者の補聴器所有率はわずか15%*ほど。難聴は徐々に進むので気づきにくく、購入しても使いこなせない人が少なくないのです。*Source:Anovum-JapanTrak 2022 吉川 私の父がそうでした。ぜひ補聴器の上手な選び方、使い方を知りたいです。 平松 肝心なのは“入り口”と“最初の3か月 ”です。聞き逃しが生じた、テレビの音量が大きくなったなど難聴を自覚したり、ご家族から指摘されたりしたら、早めに耳鼻咽喉科を受診してください。補聴器に詳しい補聴器相談医のいる医療機関を選ぶとより安心です。 「よく聞こえることは、脳を刺激し、生活の質を高めます」──平松さん 「大切な人と会話で通じ合うためにも、聴力は積極的に補いたいですね」──吉川さん 右:平松知義さん 1945年創業の補聴器専門会社マキチエ代表取締役社長。「補聴器は医療機関主体で販売すべき」をモットーに、各地の耳鼻咽喉科医師と連携し信頼できる補聴器の販売・普及に取り組む。左:吉川美代子さん フリーアナウンサー、キャスター、京都産業大学客員教授。1977年TBS入社。TBSアナウンススクール校長も務め多くのアナウンサーを育てた。2014年定年退職。趣味はジャズを歌うこと。 ドクター・お客様・販売店の“三位一体”で聞こえを調整 吉川 いきなり販売店や通信販売で購入するのは避けたほうがよいのですね。 平松 はい。まず聞こえの悪さの原因が補聴器適応の加齢性難聴なのか、他の病気なのかを検査する必要があります。さ らに難聴の種類や聴力の程度を詳しく調べ、結果をもとに補聴器販売店がお客様の要望に応じた製品をご提案します。 「最近の補聴器は小型軽量化され、つけ心地も格段によくなりました」吉川 “補聴器は医療機器”と認識することが大事ですね。私はジャズが趣味で、音楽仲間には「低音の響きが重要」「ハスキーボイスが好き」など音にこだわる方もいます。購入時にはそのような細かい話も聞いていただけますか。 平松 補聴器にも限界はありますが、性能はかなり進化していますし、メーカーや機種によって音の性質に微妙な差があります。専門の販売員とコミュニケーションをとりながら生活環境や好みに合う機能やデザインを選んでください。 吉川 吟味して購入した補聴器――宝の持ち腐れにだけはしたくありません。 平松 そのための準備期間が“最初の3か月”なのです。医療機関で定期的に聞こえ具合を検査し、販売店が使い心地を確かめながら細かな調整をしていきます。ドクター・お客様・販売店の“三位一体”で、よりよい聞こえを作り上げていくイメージですね。最近の補聴器は機能も進歩し、スマートフォンと連携したリマインダー機能や見守り機能も可能です。今後はたとえば旅先で観光情報を音声で知らせてくれるなどエンターテインメント性も持ちうると考えています。 […]

キーエンス滝沢武光氏 資産3兆円を築いた“高卒経営者”の謎めいた経歴、原点となる学園紛争体験

5月31日、フォーブスジャパンが公表した2023年版「日本長者番付」では、最終学歴が“高卒”の人物が上位50人中11人を占めた。1位の柳井正氏(ファーストリテイリング社長、資産額4兆9700億円)が早稲田大卒、3位の孫正義氏(ソフトバンクグループ社長、同2兆9400億円)がカリフォルニア大バークレー校卒など、一流大学出身者もいるが、巨額の個人資産を築いた商売人たちは必ずしも高学歴というわけではないのだ。  ビジネスの勘は大学で学ぶものではないのか。経済ジャーナリストの福田俊之氏が語る。 「このランキングの特徴は、高卒億万長者の多くが戦中戦後の混乱期に生まれた世代であり、彼・彼女らが商売を始めた頃は日本はまだまだ貧しかったが、皆が将来に向けての夢を抱ける時期だった。そうした時代背景も関係していると思われます。  家庭の事情で進学を諦めざるを得なかったり、学生運動で大学を中退する者が少なくなかった。学歴にコンプレックスを抱いていた人も少なくないでしょうが、むしろその弱点を克服し、幾多の挫折を乗り越えて今日の地位を築いたのではないでしょうか」  長者番付の常連である2位のキーエンス名誉会長・滝崎武光氏(78)の資産はソフトバンクグループの孫氏を凌ぐ3兆1700億円。キーエンスは自動車や精密機器、半導体などの工場で生産工程を自動化するファクトリーオートメーション(FA)にかかわるセンサー類を開発・製造し、2023年3月期の売上高9224億円に対して営業利益4989億円。54.1%の営業利益率を誇り、株式の時価総額は17兆円を超す。経済ジャーナリストの有森隆氏が語る。 「講演会に登壇したりメディアに出ることがほとんどないため“謎めいた人物”だといわれる滝崎氏は、兵庫県立尼崎工業高校を卒業後、2度の起業と失敗を経て28歳の時、地元・尼崎で前身となるリード電機を設立し、成功の道を歩み始めます」  滝崎氏の経営の特徴には、徹底した“合理性の追求”が挙げられるという。 「2度の失敗を経て『工場を持たないファブレス経営』『値引きしないコンサルティング営業』『信賞必罰の人事』など、時代を先取りしたような経営戦略を採用し、驚異的な高収益事業を築いていったのでしょう」(有森氏)  滝崎氏の人物像が垣間見えるのは、1991年の『日経ビジネス』でのインタビューだ。高校時代をこう振り返っている。 〈高校時代は学園紛争花盛りで、私も運動を指導する立場だった。しかし結局イデオロギーは好き嫌いの世界だということを痛感し、数字で勝負できる事業家を目指すようになった〉  理念やイデオロギーに左右されずに、数字を追求する滝崎氏の原点は高校時代の体験にあるのかもしれない。 ※週刊ポスト2023年6月30日・7月7日号 ニッポンの「高卒億万長者」11人

楽天の三木谷代表が『決意表明』「大きなプロジェクトですけど、楽天グループの総力、仮想化新技術やAI も活用し、必ずやり遂げたい」

J1リーグ・ヴィッセル神戸の会長を務める楽天グループ株式会社代表の三木谷浩史氏が8月21日、 自身のツイッター(『エックス』に変更)(アカウントは @hmikitani)を更新。同グループの中間決算を経ての決意表明と言えるメッセージを発信した。  三木谷代表は次のようにつぶやいた。 「我々はスピード制限、容量制限のない安価な携帯サービスは道路のように基本的人権に近いものだと思っております。楽天が携帯業界に参入し、携帯料金が下がりました。国民換算すると家計に約4兆円バック。大きなプロジェクトですけど、楽天グループの総力、仮想化新技術やAI も活用し、必ずやり遂げたいと思います」  8月10日の楽天グループの「第2四半期 決算」の発表では、「当期連結売上収益は第2四半期として過去最高の4,972億円(前年同期比9.7%増)を計上」、「当第2四半期の連結Non-GAAP営業損失は394億円を計上し、新ローミング契約に伴う設備投資計画の見直しや自社基地局網整備によるローミング費用の減縮、顧客獲得およびネットワーク関連コストの減少により大幅に改善(前年同期比410億円改善)。連結Non-GAAP EBITDAにおいても336億円の黒字(前年同期比503億円改善)を達成。連結Non-GAAP EBITDAベースでは、2023年度通期の黒字化を目指す」などと発表された。 懸案であるモバイル事業では、「楽天モバイル単体の売上収益が522億円(前年同期比13.3%増)で増収。一方、モバイルセグメント全体における当第2四半期の売上収益は、『楽天でんき』の料金改定影響によるエナジー事業の大幅減収もあり、801億円(前年同期比0.9%減)となった。Non-GAAP営業損失は824億円を計上(前年同期比391億円の改善)」「『Rakuten最強プラン』開始後の契約者数およびデータ利用量の増加などによるARPU(1ユーザー当たりの平均売上)上昇や、マーケティング施策の見直しなどにより、営業損失は2022年度第1四半期をピークに引き続き逓減傾向」と発表。まだ先行きの不透明さはあるものの、逆襲への準備は進められていると言える状況か。  また三木谷代表は4日、ヴィッセルの練習場のカフェテリアにも言及。 「ヴィッセル神戸練習場のカフェテリア。我々が引き受けた時は、プレハブのクラブハウスに練習グラウンド1面でした。なんとかここまで、持ってこれたのも皆さんのおかげです。ありがとうございます」  そのように新カフェテリアの完成を喜び感謝を伝えている。 関連記事>>【移籍】レアル・マドリードがエムバペへのオファー準備。今夏の獲得をあきらめず  柏レイソルに引き分けたため横浜F・マリノスに抜かれて2位になったヴィッセル神戸だが、むしろここからが勝負時に。ヴィッセルの躍進が起爆剤になるか。楽天グループ全体で岐路に立たされている状況下、三木谷代表からもこれまでにない“気合い”が感じられる。